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ハモンセラーノ&ハモンイベリコ カッティング講座


2006年2月23日、スペイン大使館でハモンセラーノのカッティング講座が開かれました。
以下は説明をもとにして店主の主観もいれながら書いてみたので参考にして下さい。

スペインのハモンセラーノ(生ハム)のブランドはマルプラ社のもの。
弊社でも扱っていますが、塩分がやさしく、熟成されたソフトな感触が美味しい生ハムです。
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カッティングしたハモンセラーノも立てかけておく事で切り口が美しく見えます。

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カッティング用のハモネロ(生ハムホルダー)にしっかりとセットします。
爪の底が上を向くようにセットします。この面は水分が多いので、この面を上にすることによって、骨をはさんだ水分の比較的少ない部分にも均等にいきわたることができます。(このまま1ヶ月~2ヶ月かけてカットすることを想定した場合)

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先ず生ハムの足首のところに切り込みを入れて、皮を満遍なく切り取っていきます。
黄色い脂は酸化しているので、丁寧に取り除きます。

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このぐらい皮を取り除いたら、切り口にかぶせる「ラルド」を数枚最初に切り取ってしまうといいでしょう。

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カッティングに入ります。
生ハムをカットするナイフはペンティングナイフの少し大きめで比較的やわらかいナイフがいいでしょう。生ハムの切り口に沿ってナイフが入りやすくなります。


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最初はテーブルと平行になるように意識してカットして行きます。
こうすることによってきれいな切り口になるし、カットしやすくなります。
ハモンセラーノなどの生ハムは、適度な大きさ(一口で食べられる)で、薄くカットするのがコツです。

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しばらくカットすると腰骨が出て来ます。 腰骨が出てきたら腰骨の周りにカッティングを入れることによってきれいにカットすることができます。ハモンセラーノなどの生ハムは、写真に向かって正面(皮がないところ)が、乾燥していて硬く、後ろの面(皮の面のところ)がしっとりとしています。なかでも腰骨と皮の間の生ハムがしっとりとしていて柔らかい部位になります。カッティングして盛り付けるときには、多少の工夫が必要となってきます。

店主が考えた生ハムの差別化

@比較的乾いた生ハムと、しっとりした生ハムと、腰骨と皮の間の柔らかくしっとりした生ハム3種類を平均的に盛り合わせて提供する。

A上記の3種類を分けて提供する。上記の3種類も味的には特徴があるので、それを生かした提案になります。

☆皮がないところの固い生ハムはオリーブオイルにつけておくことで柔らかくなるので、オイル漬けで提供します。もちろんオリーブオイルの香りも重要な要素になってきます。比較的癖がなくまろやかなスペイン産のオリーブオイルで漬け込むことによって差別化して提供することができます。

☆その他の2つの部位の生ハムについては、、足首に違いところは、肉の味が濃いところなのでそれを強調して提供します。

☆腰骨と皮の間は柔らかくしっとりとしているところなので、その点を強調して提供します。

ただし次の点も理解してもらうことが大切かもしれません。
ハモンセラーノ、ハモンイベリコ、又はイタリアのパルマハムなどの骨付き生ハムは塩漬けして長期熟成をさせますが、その際には足首が上で腰骨の部分(ロース側)が下になり12ヶ月から場合によっては30ヶ月ほど吊るされ熟成されることになります。
そうすると重力の関係で水分が下に集まるばかりか、塩分も下に集まります。よって比較的薄味なのが足首に近い部分ということになります。
足首の部分は運動する筋肉が集まっている部分なので味が濃く薄味なので、生ハム通の人はここを好むといいます。


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腰骨の周りはしっかりしたペンティングナイフのようなものでしっかりと切り込みを入れます。
切込みを入れることでカットした際に骨離れが容易になります。

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骨に向かってナイフを入れるときは手などを切らないように慎重にカットします。
写真では熟練したシェフだからですが、ナイフの向いている先に手を置く場合は細心の注意が必要です。


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ラルドを2枚かぶせたところ。
生ハムのカッティングが終わった場合はこうやって、ラルドを上に乗せておく事で乾燥を防げます。
このまま保存する場合は、この上からラップなどで覆って保存をします。冷蔵庫などには入れずに少し涼しいところで十分です。冷蔵庫だと熟成が進まずに味がこなれてこないし、常温におくことで熟成が進んで味わいが深くなってくると思います。
夏場の暑いときだけ、冷房の効いたところとかワインセラーなどにおいておくといいと思います。
生ハムを保存して熟成させるために専用の冷蔵庫を購入するのもいい方法だと思います。その際には温度は何度がいいのか?湿度は何パーセントが良いのか?そのお店のノウハウになり差別化できると思います。

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写真ではわかりづらいですが、骨付き生ハムを切り進むにつれて骨の間接が出てきてまっすぐ下までカットすることができなくなって来ます。こうなったらこんどは骨の周りをカットしていきます。皮側も皮を取り除いてカットしていきます。
写真を見ると今まさにカットしている最中ですが、ナイフに向かって右側がスネ側、通好みの部位です。
ナイフに向かって左側の手前側は乾燥していて比較的硬いところで、オリーブオイル漬けや、極薄のカットなどで盛り合わせで提供したい部位です。
写真の下にある小さいナイフが、腰骨の周りをカットする際に使いやすいので一本お持ちになると便利です。


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このぐらいまで切り進んだら、こんどはひっくり返して裏の面をカットしていきます。
裏の面をカットする場合にはこの面が今度は下になってしまいますが、やはり乾いてしまうので何か工夫が必要と思います。
オリーブオイルを塗っておくのもいい方法だと思います。


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ひっくり返したところです。
皮を丁寧に取り除いていきましょう。今回は原木一本を一度にカットしてしまうので皮をすべて取り除いてしまっていますが、通常は何日かかけてカットするので、カットする都度皮を取り除いていくのが最適な方法でしょう(皮は水分の蒸発を防いでくれますので)

余談ですが、皮のきれいなところを取っておいて、お湯できれいに洗ったあと、一度煮こぼしてじっくり煮込むことでゼラチン質のしっかりしたスープが取れます。骨を入れてもいいと思いますが、脂は酸化している場合が多いので、しっかりと取り除くことがコツです。


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表から見たところです。
少しカットもしてありますが、この部位は「しんたま」と呼ばれる部位で、比較的乾燥していますが、肉の味わいは濃いところです。カットをこの部位からせずに「ランプ側(ひづめの底を上にした側)」からカットすることによって、多少なりとも水分の移動を考慮して「この部位を多少なりともしっとりとした味わいにしてからカットをする意識」が美味しい生ハムを提供することにつながると思います。


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裏面の「しんたま」側をカットしていると、そのうち間接にあたってまっすぐカットすることができなくなります。
その際には写真のように間接の皿をとりのぞいてしまいましょう。 比較的上級編にあたりますが、一度部位を覚えてしまうと楽にできるようになります。やり方としてはナイフをVの字に入れて掻き出すように取り除くのがコツです。

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取り除いた瞬間です。
こうすることによって真っ直ぐにカットを進めることができるようになります。

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最後まできれいにカットできます。美しい直線になっていますね。


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これからあと少しカットをしたら骨を取り除いてしまうほうがいいです。


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表からみたところです。
あと少しカットを進んでいくことで腰骨も楽に取れるようになります。

骨付き生ハムは、ハモンイベリコ、パルマハム、サンダニエーレハム等どれも同様にカットすることが出来ます。
最初はテーブルに平行になるよう努めてカットをすることによって、最後まで真っ直ぐにカットすることができます。その点でも最初のカットが肝心になってくると思います。

ヨーロッパの生ハムはローマ帝国時代までさかのぼる歴史があるといいます。
ローマ帝国時代にスペインをはじめヨーロッパ諸国が征服され、そのときの食文化の交流がありその後独自の食文化が作られたのです。冷蔵庫がなかった時代だからこそ保存食としての生ハム作りのノウハウが確立されました。冷蔵庫がなかったために冬場に豚をつぶして塩漬けして、熟成をさせました。

良質の乳酸菌が増えることで肉が守られ、塩分との相乗作用でタンパク質がうまみ成分のアミノ酸に変化をして、生肉と比べると数十倍もの旨み成分が蓄えられていく様は、食の神秘すら感じられます。
この偉大な食文化を今は何処でも手軽に味わうことができるますが、現代の様々な料理に応用してこそ、古代人が培ってきた食のノウハウを引き継ぐことができ、開花させることができると思っています。

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